以前にブログにてご紹介したお話があります。

数年前のことですが、ご近所に住んでおられるという70代と思われる女性が訪ねてこられました。

まったく面識のない方です。

その女性は身体がご不自由なので、毎週息子さんが車で訪ねてこられるとのことでした。

部屋の掃除や買い物を手伝って夕方には帰っていきます。

駐車場がないので路上駐車をしていたそうですが、

つい最近、駐車違反の切符を切られてしまったとのことでした。

女性曰く

「お宅様の駐車場は日曜日にはいつも空いているようなので、

明日、息子が来た時に使わせていただけませんか?」

私は仕事のスケジュールを確認したところ、その日は車でご来院されるお客様はいらっしゃらなかったので、

快く承諾いたしました。

そして翌日の夕方、息子さんが帰る時に女性がお礼の挨拶に来てくださいました。

女性

「もし良かったら、今後も毎週日曜日に使わせていただけませんか?」

「いつまでですか?日曜日に来られるお客様もいますよ」

女性

「私がここに住んでいる間です。お宅様が使用する時にはお声がけいただければ車を移動させます。」

ここまでくると、さすがに私の中で注意信号が灯りました。

私が承諾をすれば、毎週日曜日にはその女性が使用して、私は気を使いながら声かけするようになるのが

想像できたからです。

私がお断りすると、その女性は不愉快そうに去っていきました。

私の62年間の人生において、これと似たような体験は何度かありました。

他人に親切にすることは尊いことですが、

過剰な親切は禍を招くことがあります。

淋しいことですが、親切になることに慎重になっている私です。