私が高校を卒業して、地方公務員になった頃に

母方の親戚の叔父さんから段ボール箱に入ったレコードが届きました。

私は中学生の頃からビートルズに夢中になり、

バンド活動を始めました。

担当はベースギターとボーカルでした。

そんな話を母から聞いた叔父さんが

自分のレコードコレクションから私のためのチョイスしてくれたのでした。

その中にモダンジャズの開祖ともいわれる米国の黒人アルトサックスの

チャーリーパーカーのレコードがありました。

1940年代に活躍しましたが、

酒と女性と麻薬に溺れて34歳で亡くなりました。

そんなとんでもないミュージシャンに私は夢中になりました。

さっそくアルトサックスを購入して、公務員を辞め、

アルバイトをしながらミュージシャンを目指したのです。

今思えばなんて馬鹿げたことをしたのだろうと思います。

何度かライブハウスで演奏するまでにはいきましたが、

3年ほどで挫折しました。

当然です!

そこからは紆余曲折を経ながらも現在に繋がってくるのですが、

一度失った安定ある生活とは程遠い毎日です。

今でも時折、アルトサックスの夢を見ます。

でもいつも共通しているのは

私がいくら力いっぱい吹いても

アルトサックスから音が出たことは一度もありません。